セミナー 鳥の鳴き声に単語や文法?(佐賀大学)
2019/12/05(Thu)
第90回九州昆虫セミナー

日時:12月5日(木)17:00-18:30
場所:佐賀大学農学部1号館2階 第5講義室


演題:鳥の鳴き声に単語や文法?
シジュウカラにみる言語の起源
講演者:鈴木俊貴博士(京都大学白眉センター )


講演内容:
ダーウィン以来,「言語」はヒトと動物を隔てる決定的な性質であると考えられてきました。ヒトは単語を用いて物事や意志を示し,それらを組み合わせて文章をつくることで会話します。一方,動物の鳴き声は単なる感情の表れにすぎず,聞き手の行動を機械的に操作する信号にすぎないと捉えられてきたのです。

しかし,この二分は本当に正しいのでしょうか? ヒトの進化の過程において,複雑な言語が突如として(そして特別に)宿るなんて,果たして起こりうるのでしょうか? 私は,この疑問を片隅にいだきながら,野鳥の音声コミュニケーションを研究してきました。

13年以上にわたる野外研究の成果として,私たちに身近な小鳥のシジュウカラが,捕食者の種類を示したり仲間を集めたりするための様々な鳴き声をもつことがわかってきました。さらに,彼らはこれらの鳴き声を一定の語順に組み合わせ,より複雑なメッセージまで作ることができるのです(つまり,文法がある)。

聞き手のシジュウカラは,決して機械的に反応しているわけではなく,鳴き声の示す対象をイメージしたり,音列に文法のルールを当てはめたりすることで,情報を読み解いていることも示されました。これらの発見は,私たちが普段会話のなかで使っている認知能力を動物において初めて実証した成果であり,言語の進化に迫る上でも大きな糸口を与えるはずです。

本講演では,上記の研究内容を紹介しながら,野外観察や行動実験から動物たちの豊かな会話の世界にどのように迫れるのかお伝えすることができれば幸いです。

[世話人:徳田 誠・服部 南(佐賀大)]
http://systeco.ag.saga-u.ac.jp/Home.html/Home.html
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